2014年12月14日日曜日

音楽制作について(9)そして音楽教室について(4)


私の音楽制作において特徴的なのは楽譜出版でしょう。

初期の教則本ベストセラー「ザ・ロック・キーボード」には譜例や練習曲の音がソノシートの形で付属していました。
ソノシートとは薄いシート状のレコード盤(アナログ)です。

別売品としてカセット・テープも出版されました。

これらの原盤(レコードを大量複製するもとの録音)は録音スタジオに友人(もちろんプロ)のミュージシャンを呼んで録音しました。
自分のバンドで録音したのです。

ほどなく前回書いた様に録音スタジオのテープレコーダがデジタル録音に変わり、大量複製する媒体もアナログ盤からCD(デジタル)盤に変化してゆきます。楽譜にもCDを添付することが始まります。出版社も自社で録音スタジオを作り、この5冊のシリーズ~明日から貴方もジャズ・ピアニスト~気軽にジャズ・スタンダード Vol.1~5から出版社が録音原盤を作り始めました。
アレンジ内容は「ピアノ・ソロ・ベスト・コレクション/ジャズ・サウンズ・ピアノ・ソロVOL.1~3」というシリーズ、好評のため合本再版されていましたが、更に再版する際に模範演奏CDを付けようとなったのです。
1冊目は出版社の録音スタジオ、出版社側の録音スタッフで録音しました。この録音には少々がっかり。録音スタッフの技術レベルの問題でした。プロの録音スタジオ現場を経験してきた私には耐えられないレベルでした。そこで急遽交渉、自宅で録音した方が安価でクオリティも高いことを説得、シリーズ2冊目以降は自宅で録音しました。そもそもMIDI演奏情報は私が作っています。ピアノ音も演奏情報を作った音で録音するのが自然です。わざわざ出版社のスタジオへ行く必要が無かったのです。


録音技師はずっと私の教室の発表会でお世話になっている角さんにお願いしました。彼は録音技術の本を出版しています。その本のことは ココ にあります。
自宅で録音するのを宅録(たくろく)と言いますが、私のアレンジ楽譜や教則本添付CDの原盤録音は宅録の時代に入ります。
楽譜原稿もその模範演奏の録音も全て自分のマックで作ります。
その後録音技術を角さんの作業から学び、ほどなくして完全に一人で制作する様になりました。楽譜も浄書データの入稿になりました。こうして私のアレンジ楽譜や教則本の印刷用版下、添付録音盤の原盤、可能な限り全部を完成させる様になりました。
私の教室でこれらの楽譜を教材指定することはありませんが、ときどき生徒さんが私のアレンジ楽譜をお持ちになります。
添付録音盤の音やもとの演奏データを利用することがあります。その場合にはもちろんテンポを工夫して少し遅くから練習に入ったり、その方の状態を見てアレンジも変更したりします。
これらの音楽制作面での進歩は教室における指導にも活用できていると思います。

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