2014年12月27日土曜日

音楽制作について(11)

今日はデジタル録音の際のデジタル・データのやりとり(出入り)について書きます。データの出入りをI/O(アイ・オー)と言います。Input(インプット・入力)とOutput(アウトプット・出力)の頭文字です。
前回書いたサンプラーは楽器音や自然音(アナログ)を入力後にデジタル・データに変換して記録(録音)しこれを編集して出力(再生)します。先ずアナログからデジタルへの変換、AD変換をします。このデータ変換をする部分(部品)がADコンバータ、その性能が音の良し悪しに関係します。
デジタル・データはそのままの状態で聴くことはできません。私たちが音(音楽)として聞くためには最終的にデジタル・データを再度アナログに戻す、つまりデジタルからアナログへの変換、DA変換をしなければなりません。この変換部分(部品)がDAコンバータ、この性能も音の良し悪しに関係します。
初期のサンプラーは機器の出力段階でDA変換する場合が多かったのですが、ライブ演奏と違い録音の場合には可能であればデジタル・データのまま録音機や録音アプリ(パソコン)に入力したいのです。
もしサンプラーのI/OでAD変換して更にDA変換、アナログの音を経由してから録音機(録音アプリ)に送るとこの段階でまたAD変換となります。いくら性能の良いADコンバータやDAコンバータを経由したとしても、頻繁にAD変換とDA変換を繰り返すたびにデジタル的編集の最大の利点である「音の良さを維持するというか音の劣化が無い」と相反することになります。
録音におけるデジタル・データはなるべくAD変換とDA変換の回数を減らしたいのです。なるべくデジタル・データをそのまま次の機器や作業へ受け渡したいのです。

最終的に音楽CDにする場合、音楽CDに記録されたデジタル・データをDA変換して聴くことになりますが、音楽CDを制作する段階においてはデジタル・データのまま制作してゆく工程がベターということになります。

初期の録音ではデジタル音源からパソコンの録音アプリへのI/Oがデジタル・データのままで送れませんでしたが少しずつデジタル・データのままでI/Oできる様になりました。

当時のデジタル・データをやりとりするケーブルです。同軸ケーブルから一番下のレーザー・ビームを利用する光ケーブル(光ファイバー・ケーブル)に変化してゆきます。一番下の光ケーブルは初期のもので太いですね。
現在の光ケーブルは細い。
デジタル音源として使っている YAMAHA MOTIF-RACK ES から光ケーブルを経由して音楽(録音および再生)専用のI/Oである Roland UA-25 に送られます。この画像は UA-25 に入力される部分を一旦はずして撮影しています。ケーブルの先端が赤く光っています。レーザー光線が見えています。
この先端を左下の様に UA-25 背面にある OPTICAL IN (赤いMIDIケーブルの左)に接続、UA-25とパソコン(各種録音アプリ)は USBケーブル(一番右)で接続されています。パソコンの録音アプリでミキシングおよびマスタリングされたデータは音楽CDに(デジタル・データのまま)記録されます。
なおマックを利用していた頃、マックのG4やG5マシーンはパソコン本体に光ケーブルのI/O端子があり UA-25 の様な機器は不要でした。
G5マシンが突然壊れて後、現在では一部の作業を残して全てWindows環境に移行、現在は UA-25 を使っています。この機器にはMIDIやアナログのI/O端子があり重宝しています。

0 件のコメント:

コメントを投稿