2014年11月10日月曜日

Can't Take My Eyes off of You(君の瞳に恋してる) 

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「ジャージー・ボーイズ」は1960年に結成されたザ・フォー・シーズンズをテーマにしたミュージカル、2006年にはトニー賞のミュージカル作品賞、主演男優賞、助演男優賞、照明デザイン賞を受賞、アメリカ国内のみならず全世界で上演されています。
このミュージカルをもとに今年(2014年)クリント・イーストウッドが監督、フランキー・ヴァリ役ジョン・ロイド・ヤングの映画版が公開されました。
日本では2014年9月27日に公開され、オフィシャル・サイトの日本オリジナル予告でこの曲が使われています。検索の際 映画 ジャージー・ボーイズ としてください(近日公開終了の様ですからこの予告も期間限定と推測されます)。

フランキー・ヴァリ (Frankie Valli) はザ・フォー・シーズンズのリード・ヴォーカルですが、1967年に初めてソロとしてリリースしたのがこの曲。録音盤にはフランキー・ヴァリとザ・フォーシーズンズとクレジットされています。

ザ・フォー・シーズンズは「シェリー(1962年)」などヒットを連発した有名なグループですが、私が最初にこのグループ名を意識したのはザ・カーペンターズの名盤「ナウ&ゼン」でした。B面1曲目で「Yesterday Once More」が歌われ、その後DJのナレーションを間に挟みつつオールディーズの名曲がメドレーで歌われ、最後に「Yesterday Once More」がリプライズされます。途中DJが「フォー・シーズンズ?」と絶叫する様な部分があり、これが印象に残っています。残念ながら彼等の曲は歌われていないのですが…。

今回リリースしたピアノ弾き歌い(ピアノ伴奏)譜のアレンジで一つ心残りがあります。
サビの部分、オリジナルはフル・バンドによるパンチの利いた伴奏に乗せて歌われますが、ピアノ伴奏となるとあまり複雑には書けない(オリジナルの忠実な採譜では演奏が難しい)と判断、途中にある素敵なディミニッシュ・コードを省略したことです。
ピアノで伴奏するには拍のオモテを主体に左手にベースのパターンをアレンジします。サビの伴奏は次の様に書きました。


この部分のオリジナル、フル・バンドにおけるトランペット・セクションは次の様に演奏しています。拍のウラに少し突っ込み気味(半拍ずつ前にシンコペイト)するアレンジです。↑の部分が省略した素敵なディミニッシュ・コードです。


これをハ長調に移調しました。


ディミニッシュ・コードを利用するアレンジ(2種類):

(1)はアプローチ・ノートの例、ディミニッシュ・アプローチと言います。アプローチ・ノートとはアレンジする声部(ライン)におけるコード・トーン(和音構成音)の前にある短い音価(音符)のノン・コード・トーン(和音構成音以外の音)が半音なり全音で解決する音です。これをディミニッシュ・コードでボイシング(和声化)します。譜例はⅠ6 に対するⅦdimとⅡm7に対する♯Ⅰdimによるアレンジです。それぞれ↑の部分がディミニッシュ・アプローチです。



(2)はコード・トーンの前にある短い音価(音符)のディミニッシュ・コードですが、(1)とは違い解決先のコード・トーンと2声部が共通し、他の2声部が半音変化するアレンジです。「君の瞳に恋してる」のサビの場合は下行しますが上行変化の場合もあります。「君の瞳に恋してる」サビにおける実例をハ長調に移調して解析すると次の1~2小節の様になります。2~3小節は上行する例です。


2 件のコメント:

  1. いつもお世話になっております。

    この曲、ボーイズ・タウンギャングの曲だとばかり思っていましたが、原曲があるのですね。映画もトレイラー見ましたが面白そうですね。今週中で上演終わりのようで、仕事抜けて見てこようかと思っています(笑)

    ディミニッシュを利用するアレンジ例も拝見しました。とても勉強になります。

    この曲に関しては、タウンギャングのディスコアレンジの印象が強すぎて(昔さんざんディスコで踊りました。今でも新宿ケントスあたりで時々酔っ払って踊ってます、笑)、私でしたらサビの左手は、ズ・チャ・ズ・チャ、、、とオクターブ交互の8beatで多分シンプルに弾き倒してしまうとかと思いますので、先生の左手アレンジがとても新鮮に感じました。

    確かに、裏拍中心のバッキングをしつつ、弾き歌いするのは難儀だと思います。省略されたディミニッシュもこのように拝見すると存在感大きい、というかとても美味しいところですね・・・。どのレベルでアレンジを書くかというのは悩ましい問題ですね。。。 (Y.W)

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  2. 後日、カバーの大ヒットがあるとオリジナル・ヒットのことを意識しない人々が多くなるのは仕方がありません。ただ、この曲はロンドン五輪でも印象的に利用されたそうですし、そろそろポップス・スタンダードとなっているかなと思います。ジャズにおけるスタンダードとは少し違う感じですね。間に合う様なら映画の方へもぜひ!楽曲としてもカウンター・ラインがとても印象的です。またピアノにアレンジする際の各種ジレンマにも悩みつつ、なるべく原曲の魅力とその秘訣をお伝えしてゆきたいと存じます。コメントありがとうございました。またコメントの報告アドレスが旧アドレスのままであることにも気づき、先程新アドレスに変更しました。アドレスの変更は色々な要素があり大変ですが、年内移行へ向けて昨日来作業を進めているところです。アドレスの変更について何卒よろしくお願い致します。

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