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「Bei Mir Bist Du Schön(素敵なあなた)」は多くのアーチストがカバーするジャズのスタンダード・ナンバーです。
この曲の原題はイディッシュ語で「Bei
Mir Bistu Shein(「ぼくは君が素敵だと思うよ」とか「君はすてきだ」の意味)」、これをドイツ語表記した「Bei
Mir Bist Du Schön」がタイトルとして良く使われます。
イディッシュ語は東欧ユダヤ人が使う中世ドイツ語とヘブライ語の融合した言語。1932年、ヒトラーが政権を獲得する前年、ショロム・セクンダ
(Sholom
Secunda)
がイディッシュ語のミュージカル「おれたちは生きられるのに、やつらはそうさせない」のために書いた曲で、やつらとはナチスのこと、既にホロコーストを予見していた様です。
これを立証する確たる資料には行き着いていないのですが、私が得た下記2件の情報から推測しています。情報を提供してくれたN氏は「仮にこれを疑問視するご意見があったら『小生がそう言っていた』と回答されて結構。この推測を覆す調査力の持ち主に対しては素直に頭を下げます」とのことです。
(1)反ナチのイディッシュ語の歌10曲に入っている。大戦中にBBCがドイツ向けに空襲警報(イギリス軍がドイツを空爆していた)を放送する際、最後にこの「素敵なあなた」をテーマソング的に流していた。もちろん敵性放送聴取は死刑。しかしドイツ人は聞いていた。
(2)第二次世界大戦中にドイツでもすぐに大ヒットしたが、ユダヤ人の作品と分かって、あわててナチスが禁止した。
私が調べた Wikipedia の記事によると「後にユダヤ系アメリカ人サミー・カーン
(Sammy
Cahn) はジョニーとジョージ (Johnnie
and George)
というコンビがこの曲をイディッシュ語で歌ってアフリカ系アメリカ人の聴衆に受けていることを知り、英語で作詞、コーラスグループのアンドリュー・シスターズ
(The
Andrews Sisters)
録音のレコードをリリースして、アメリカでヒットした」とあります(内容を要約し文面は私が編集)。
イディッシュ語で歌われた動画がココにあります。
N氏の説明によれば「オリジナルのイディッシュ語の上演(後日のブダペストにて)」とのことです。
現在このアレンジはドレミ楽譜刊「華麗なるジャズ・スタンダード・ピアノ曲集(1)」にも収録されています。
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