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2015年12月14日月曜日

N氏よりのメール

送信日時:2015年12月14日 6:59
主題:細幅鍵盤(署名のお願い。)
本文:林 知行 先生
お忙しいところお邪魔します。
耳慣れないかも知れませんが、細幅鍵盤のピアノを製作するように世界のピアノ・メーカーに嘆願書を送る運動が始まっています。(米国、豪州の署名が多い。)
以下のHPの右下の「嘆願」の部分は私が下訳しました。
いまのピアノは女性差別であり、また白人男性の優位を保持するためのものです。
この運動が成果をもたらせば、結果的に音楽愛好家の数を倍増、いや三倍増にもする効果が期待できます。
ご賛同いただければ幸いです。
また、お知り合いの音楽関係者に転送するなどして、こういう運動があることを伝えていただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。

http://littlehands782.blog.fc2.com/blog-entry-106.html

(以上引用)

なお私のブログ内「細幅鍵盤」で検索すると次の記事があります。

2012年7月30日月曜日

細幅鍵盤について

 一昨日の投稿について、細幅鍵盤のピアノをお持ちのN氏(以前ウィーンからの便りをくれた方)からメールを頂きました。N氏にお許しを頂きましたのでご紹介したいと思います。「なるほど」と思います。

画像の説明の後にある「 」内がメール本文です。

画像とその説明を追加で頂きましたので2012年8月2日にこの記事内容を更新しています。画像の説明を先に掲載します。

ハンマー・アクション部は標準サイズ(幅)のまま、手前の鍵盤(つまり長い腕木)がそれぞれ細幅になっているので、先端部は「く」の字に曲がっているわけです。
標準サイズでも多少「く」の字になっていると思うのですが。細幅鍵盤の場合、両端の角度が強くなるわけです。
以前はトニカピアノなど、いくつかのメーカーが作っていました(おそらくブラザーは止めているでしょう)。現在は、少なくとも1社が作っています。




「細幅鍵盤については、いろいろ言いたいことがあります。

軟式野球、軟式テニスがあるように、細幅鍵盤ピアノがあるべきだと思っております(野球やテニス以上に)。
オクターブが届かないばっかりに、モーツァルトやベートーベンを諦めざるをえない(特に女性、白人にも少なくない)人びとがどれほどいるか。

→結論から言うと、0.95スケール、0.90スケール、0.85スケール等のピアノがグローバルにあるべきだと思います。技術的にはもちろん可能です。
小生がもっているピアノは、本体がアトラスピアノ。その鍵盤部分だけを入れ替えたブラザー・ピアノです。(したがって、ハンマーにつながる部分が全体的にやや放射状に拡がるわけです。)これが理想的であるとは思っていません。

音楽はオリンピックでもワールドカップでもないので、骨太のガタイのでかい奴らと肉弾戦をやる必要はないはず。(そもそも、世界を舞台に弾き歩くピアニストが、日本にどれほどいるか。内輪で楽しむために、必要な楽器は何なのか。)ピアノそのものが、日本ではサラウンド楽器であるべきです。

つまり、ヨーロッパのピアノは、大理石のサロン、基本的に石造の天井の高い(4,5㍍はざら)建物のなかで響くことを念頭に開発。またアメリカでは、だだっぴろいホールに響き渡る(スタインウェイ)ように開発設計。そんなものが、木造2階建てが基本の日本の住宅に合うわけがないです。ピアノ殺人事件も起きかねません…。
ひとむかし前の普及時には、そんな欧米の雰囲気にあこがれた要素もあったでしょうが、いざ定着するかとなると、よほどの金持ちでなければ、日常生活でゆったりピアノを楽しむことなどできはしない。(それゆえ富士楽器がご家庭のピアノを集めてどこかに転売している。)日本では、せいぜいピアノの手前3メートルぐらいで数名が響きを共有できる構造・設計でないと、定着しえないと思います(今のピアノは、本人に聞こえずに、後方、下方に響く)。あるいは三味線と尺八に転向するか。
くどいようですが、小生の海外学術調査の過程で分かったのは、ドイツ系の住宅の地上階の外壁は、65㎝の厚さ、4階でも50㎝です。わがマンションは6階で20㎝足らずです。住宅が違いすぎます。

えーと、疲れたのでこの辺でやめます。」

2012年7月28日土曜日

My musical history(21)

最初に楽譜の仕事をしたのは、採譜でした。
オスカー・ピーターソンでした。
とにかくびっくりしたのはその手の大きさ。

彼はA♭メジャーを愛好する様に思いますが、ドミナント・セブンス・コードであるE♭7、これを左手で弾くとき、ひんぱんにテンスのコーダル・ベースを演奏します。


一番下にrootのE♭音(5指)、その上に7thのD♭音(2指)、その上に3rdのG音(1指)、これを一気に演奏します。私は残念ながら届きません…。


テンスは10度音程。コード・ハーモニーの重要な要素であるrootと3rdの3度音程を低音域に密集位置(クローズ)で弾くと響きが濁るのでオクターブ以上になる10度に配置します。近い位置では無くオクターブ以上に広げるので開離位置とかオープンと言います。更にその間に7thも加えてオスカー・ピーターソンは軽々と演奏します。 


私もテンスを弾こうと練習を始め、少しずつ使える様になりました。少しずつ手を広げると手は成長し鍛えられる様です。

同じテンスでも狭いもの、例えばB♭m7なら可能になりました。
次に広いテンス、これが一番多いのですが、これも使える様になりました。画像はCコードです。

しかしついにE♭7は無理でした。
オスカー・ピーターソンは大きな人です。来日の際に近くで見ましたが、巨人です。手も大きいのです。最初の採譜で気づきました。



世の中に細幅鍵盤というのがあるそうです。
中田喜直が普及に努力したそうですが、実際には普及しませんでした。
細幅鍵盤のアップライトピアノを所持する人を知っています。見たことは無いのですが…。問題はご自宅の細幅鍵盤ピアノで弾けたとして、他所のピアノは標準サイズですから苦労する。その苦労を見ました。細幅鍵盤のピアノを持ち歩くのは難しいでしょう。
標準サイズの鍵盤に慣れるしか無いのでは…って思いました。
細幅鍵盤なら私もE♭7のオープン・テンスが届くかな…。