2016年12月9日金曜日

新たな採譜手段

演奏を採譜する基本は「注意深く良く聴くこと」です。
デジタル的音声ファイルを扱う現在では、演奏のテンポ解析をした上で採譜した楽譜を演奏させて確認して行きます。響きについてはその部分だけを繰り返す(ループ)したり、早いパッセージ(走句)は部分的にテンポを落として解析します。音声ファイルを倍に伸ばせば半分の速度で聴くことができます。アナログの場合には半分の速度で再生すると1オクターブ低くなりますがデジタルでは同じ高さのままです。

最近では動画を利用して演奏する様子を確認する方法が新たな採譜の確認手段となりました。

あるCFの採譜をしました。その楽譜は ココ にリリースされています。

CFにはナレーションがかぶっているため後半の演奏が良く聴き取れませんでしたが、このCFを紹介するサイトにはメイキング動画(収録風景)があり、左の様に画面左下の窓に鍵盤と演奏する両手がアップで公開されていました。これは助かります。

左は来年2月に予定している当教室の発表会の準備として採譜した例。

最近のアーチストはCDではなく配信、そして公式的動画のアップが一般的です。動画を編集アプリで再生すると左のポップアップウィンドウ内の様に 0.125倍(速度1/8)、0.25倍(速度1/4)、0.5倍(速度1/2)、1倍(通常速度)、1.25倍、1.5倍…で再生が可能になります。通常速度でも十分ですが、細かいところは半分の速度(これは流石にアナログ音声なので1オクターブ低い)で確認することができます。音質や画質よりも右手なのか左手なのかがわかれば十分なので音質や画質は粗くても問題ありません。

これまでピアノ演奏の採譜でわからなかった要素は、内声を弾いているのは右なの左なのかという様なことでした。動画の画像解析する方法が現実化したことでより精度の高い楽譜が提供できます。

ただ、先のCFの場合、実際に使われているものは微妙に短い(速い)様。デジタル的に動画を圧縮したのか、メイキングのテイクとは別のバージョンかも知れません。
もう一つのケースも微妙に音と動きの違いが気になります。海外のアーチストは以前よりパフォーマンスにおける当て振りが多い。録音に合わせて動画の画像は後で収録しているかも知れません。オーバー・アクションに感じるのはそのせいかも知れません。

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