2015年1月3日土曜日

音楽制作について(14)そして音楽教室について(7)

「音楽制作について」と「音楽教室について」のシリーズ最終回です。
Y.W.さんからの下記メールに対して回答する形でまとめましょう。

>>>メール本文引用(抜粋)>>>
林先生お世話になります。昨日は心配事の多かったSibeliusですが、今日はとってもテンションの上がる記事を見つけました!(中略)Sibelius の記事を書いていた件の作曲家氏のブログで Sibelius 専用のソフト音源を紹介していて絶賛しています。
更に調べたところ開発元の Wallander Instruments がこの音源を使ってクラシックのスコアを再生したデモが YouTube に発表されています。

チャイコフスキー/白鳥の湖

ホルスト/惑星より「火星」

正直驚きました。DAWでオーケストラ再現を意識して作ったデータならともかくクラシックのスコアをそのまま譜面ソフトで再生させてこのヒューマンで音楽的なプレイバックが得られるとは。。。(中略)まさに諸々の考え方を変えさせられる程のインパクトがあります。(中略)件のブログによればフィナーレ用に発売される予定はないそうです。これだけでも形勢逆転(笑) Sibelius にして良かった!と思いました。
>>>以上本文引用(抜粋)>>>

正直驚きました。DAWでオーケストラ再現を意識して作ったデータならともかくクラシックのスコアをそのまま譜面ソフトで再生させてこのヒューマンで音楽的なプレイバックが得られるとは。。。(中略)まさに諸々の考え方を変えさせられる程のインパクトがあります。(中略)件のブログによればフィナーレ用に発売される予定はないそうです。これだけでも形勢逆転(笑) Sibelius にして良かった!と思いました。
>>>以上本文引用(抜粋)>>>
Sibelius の素晴らしさもありますが、私が動画を見た印象は少し違います。これら「クラシックのスコア」の完成度が高い、つまり楽譜の完成度が高いから楽譜の再現だけでも素晴らしい音がしていると考えます。テンポ設定、ダイナミックス(強弱)、アーティキュレーション(フレージングや音価等)をていねいに書くのは実際のオーケストラに演奏させる場合、つまり人が演奏する場合と同じこと。スコアの完成度が高いから人が演奏しても Silelius が楽譜を再生するだけでも美しいのだ、と思います。
Sibelius でオーケストラのシミュレーションが可能ですから、自力でスコアの完成度を上げて行くことが可能、そんな学習が自分で音を確認しながら可能になったのです。

オーケストラは編成が大きい方が楽に書けます。むしろ編成の小さい方が緻密に書かねばなりません。大編成のオーケストラより弦楽四重奏の方が難しい。ある意味ではピアノソロの方がさらに難しいと思います。
そして和声学や対位法の知識や技術が完成度を上げ効果的に響かせたり曲や編曲を構成する底力として重要なことを痛感します。その上で楽器用法も重要。実際の楽器で美しく演奏するにはそれぞれの楽器の特性を知ることが重要です。これは Y.W. さんもジャズのフルバンドで経験されたはず。楽器の実用音域を考えてキーを決める、そんなアドバイスもしましたよね。


最後に私のシステムを説明して音楽や音をデジタル的に録音し編集する素晴らしい制作の世界を紹介しましょう。
パソコン1台で全ての作業を進めることも可能ですが、マルチ・ウィンドウを活用したとしても限られた画面(ディスプレイ)で操作すると色々混乱する様に思います。パソコン1台に操作を集約可能ということと操作性や効率が良い実用的な作業は別と思います。

私はデジタル音(演奏)の解析、楽譜制作と楽譜の確認、演奏情報の編集、演奏情報等にもとづくデジタル録音やそのデータ編集、操作性がよく習熟したアプリケーションを選び、パソコンを分けて使う方が効率が良いと考えています。仮にトラブルが発生してもその箇所を早く発見することができます。デジタル的コントロールやデジタル音のやりとりが可能であればむしろ各種ケーブルやコンバータ(情報の交換器)を経由する方がわかりやすいでしょう。

デジタル音(演奏)解析(つまり採譜作業)は Mac OS-9 マシン上の Digital Performer です。MIDI 演奏情報の編集や再生(演奏)も行います。MIDI 情報は MIDI ケーブル経由で YAMAHA MOTIF RACK ES に送ります。Mac の USB 端子(出力)から Roland UM-1X 経由で MOTIF RACK ES に送ります。画像は UM-1X。MIDI 情報は黄色の MIDI ケーブルで送られます。
MOTIF 背面の MIDI 情報入力部分(黄色のケーブル)です。

音の高さの修正等は MIDI マスターキーボード(グランドピアノに 組み込まれた MIDI センサー)から行います。リアルタイム入力(鍵盤を演奏して演奏を記録)はあまりしませんが可能です。画像はグランドピアノ鍵盤下にある MIDI 出力部分です。

楽譜制作と楽譜の演奏音確認は Windows7 マシン上の Sibelius で行います。音の確認はパソコンの MIDI 音源で行うことが多いのですが、MOTIF RACK ES を MIDI でドライブすることもできます。その際はケーブルの繋ぎ直しです。UA-25 を経由しますので上の説明図には( )囲みで示しました。もちろん Sibelius が持つ各種音源も利用できますがパソコンへの負荷あり私のマシンでは少々しんどいのであまり利用しません。

演奏情報等にもとづくデジタル録音は ココ で説明しました。UA-25 経由となります。デジタル録音とその編集は Windows7 マシン上の Cubase です。

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