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縁起を転記します。
南泉寺菅谷不動尊
菅谷御本山不動尊(寺名諸法山菅谷寺、所在新潟県新発田市菅谷)は、今を距る八百年前(鎌倉時代)源頼朝の叔父君護念上人の創建されたものであります。
本尊不動明王は印度のビシュカツマの御作で、其後印度から支那を経て、更に伝教大師によって我国に請来された所謂三国伝来の尊い御像であります。
爾来比叡山無動寺に安置さるゝこと三百五十年、当時叡山に在って専心仏道修行中の護念大師が故あって、日頃最も深く尊信帰依し奉ったこの尊像の御頭だけを笈に納めて廻国修行の後、菅谷の里に至った際、たまたま不思議な霊感によって、こゝを結縁の地と感じ一宇を建てゝ本尊を安置奉ったのに始まります。
其の後雷火の為、伽藍が悉く焼け失せた際にも、この御本尊のみは微傷だも負わせられず、儼然としてみたらしの中に在しましたと言伝えられ日本最古、而もその霊験の特に著しいことで日本三不動の一と称されて居ります。
尚南泉寺不動尊は徳川時代末御開帳仏(菅谷不動尊は秘仏也)を戴き、故に当山不動尊の御本体(鎌倉時代伝運慶作)も御頭のみにて、特に首より上の病並びに学業に霊験を現し、明治の頃九代目団十郎の弟子新蔵なる者、眼を患いし折、この不動尊に共に願をかけ、治癒いたしたる美しき師弟愛の話あり、これ故一名団十郎不動とよばれて居り、当時檀家はもとより、都内一般の多くの信徒の信仰を集め今日に至って居ります。
瑞応山 南泉寺
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