2011年7月26日火曜日
はっきりしない朝
今朝は曇天。朝6時の太陽は雲の向こうです。5,300歩。
ビリー・ジョエル最終校正段階で時間がかかっています。音の間違いに気づいて楽譜を校正し録音をやり直したこともありました。
英語歌詞の文節についても今後の出版のことも考え、当方なりの基準を決めて行こうとしています。
思い出深い「Honesty」、雑誌「キーボード・マガジン」創刊号掲載のピアノ用アレンジを書きました。
楽曲構造は典型的な歌謡形式 A+A´+B+A´ です。
イントロは印象的な同主短調、これがA´とBの間に短い間奏として使われ、エンディングにも使われます。
リピート記号とダル・せーニョ記号を利用して繰り返しますが、Aの終結の解決進行が単純に繰り返されていると安易に考えていました。
譜例(1)が昔書いた楽譜です。Aの終結とA´の終結は同じだと思っていました。先入観は採譜作業の敵ですね。今回の校正段階で聞いていて、おやA´の終結はAと違う様だ、ベース音が違うぞって気づいたのです。
よく聴きなおすと譜例(2)の様に、A´はAよりも半拍前でベース音はトニックへ解決しているのです。
そうか、A´はAと違い、イントロに使われたフレーズに続きます。その直前はAからA´への繰り返しとは違うアレンジだったのです。
これを記譜するために1st ending (一番括弧)と2nd ending(二番括弧)に1小節増やし、コーダへ進むコーダ・マークも1小節前に移動、コーダ冒頭にも1小節追加します。譜例(2)の様になります。
そうか!あの物憂いイントロのフレーズへ進むところはトニックへ早めに解決、トニック上のサブドミナント(俗称アーメン終止)の響きを利用していたのです。
これを教訓に、安易な先入観を持たずによく聴きなおし、正確な採譜に精進したいと思います。
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